がん保険は本当に必要なのか?

お金

44歳で子宮体癌に罹患しました。保険なんて老後のものくらいにしか思っていなかったので、がん保険なんて調べてもいなかったです。

そこで、本当にがん保険が必要なのかどうか、がん経験者の目線で検証したいと思います。

そもそも保険って?

保険には、公的保険(社会保険)と私的保険(民間保険)があります。社会保険はさらに医療保険、介護保険、後期高齢者医療制度に分類されますが、医療保険制度のおかげで、病院での医療費が3割に抑えられています。日本の公的医療制度が他国に比べて優れていると言われるのも納得です。

健康保険制度について

国民健康保険について

でも、「それだけで全てのリスクに対応できるかな、、」と不安になった多くの方が入られているのが民間保険かと思います。私も35歳の時に民間保険を見直ししました(笑)

がん保険とは?

民間保険には大きく3種類あります。

  • 生命保険(第一分野):人の生死に関して保障する保険
  • 損害保険(第二分野):偶然の事故で発生した損害を補填する保険
  • 第三分野の保険:人のケガや病気に備える保険

がん保険は、「第三分野の保険」にあたります。医療保険、介護保険、傷害保険なども、この分野です。

その中で、がん保険は「保障の対象をがんに限定した保険」です。ここで、医療保険の「がん特約」とがん保険の違いは何なのか?という疑問が沸きます。

まとめるとこんな感じです。

  • 医療保険のがん特約:がんを含めた病気やケガを保証する医療保険に付加することで、がんに罹患した時の保証を厚くする。
  • がん保険:がんに特化した保険で、がんに罹患した際の補償は手厚いが、がん以外の病気やけがは対象外

保険会社によっては、がん保険に他の医療も保障する特約をつける商品もあるので、どっちからアプローチするか、、という感じにもなりますが、要するに

「健康保険でカバーできない病気やケガのリスクを、がんに特化しますか?」

ということだと思います。

がん保険の種類

では、がん保険には種類があるのでしょうか?

大きく分けると次の2つです。

期間による分類

  • 定期型:満期があり、満期まで保障。
  • 終身型:満期がなく、一生涯保障。

がんに罹患するタイミングがわからない中では、終身型の方が理にかなっている気がします。

保障内容による分類

  • 入院給付金型:入院給付金の日額をベースに、診断給付金、手術給付金などの保障額が決まる。
  • 実損補填型:健康保険の自己負担や自由診療の費用などを補償。
  • 診断給付金型:診断給付金のみを支給。
  • 収入保障型:がんにより働けなくなるリスクを保障。

入院給付型が一般的で、いろいろな保障を特約で選択することが可能です。特約によって保険料が高くなっていきます。

がん保険の用語

ところで、保険を選ぶとき、専門用語の多さに当惑してしまう人も多いのではないでしょうか?

似たような用語なのに全然意味が違っていたり、普段使わない専門用語ばかりでなかなか理解できないのが保険商品です。患者として私が「これだけは、、」という用語を記載させていただきます。

保険契約者

保険会社と保険の契約を結んだ人であり、保険料を支払う義務がある。

被保険者

保険の対象となっている人。

給付金

被保険者が入院したときや手術をした時に、生命保険会社から受取人に支払われるお金。*入院給付金、診断給付金、手術給付金、通院給付金があり、商品や契約内容により保障内容は異なります。

免責期間(待機期間)

すでにがんに罹患している人が保険に入る場合を防ぐための、猶予期間。*通常は90日間設けられていますが、この期間はがんと診断されても保障されないため、注意が必要です。

上皮内新生物

がんが、上皮内にとどまっている状態のことで、治療を行えば転移する可能性が低いもの。*がん保険で対象外になっている商品も多くあります。

悪性新生物

上皮内を越えて他の組織にまで浸透している状態。治療しても転移や再発の恐れがあるもの。*一般的な保険商品ではこちらを「がん」と呼んでいます。

先進医療特約

大学病院など高度な医療機関で研究・開発された医療技術で、安全性と治療効果は認められているものの、保険診療の対象とするかは検討中のもの=先進医療を保障する特約。*がんの種類や進行度によっては、先進医療が必要になる場合があります。治療が高額で長期にわたることがあるため、特約が用意されています。

特に、「免責期間」や「上皮内新生物」は、保障対象外になることがある内容なので、がん保険を契約する際は、しっかり確認する必要があると思います。

保険料について

確かに不安はあるけど、未来のリスクに備えてどれくらいの保険料を払ったらいいのか悩むところです。私自身、自分が40代でがんに罹患するなんて、想定していませんでした。

友人や同僚に、どれくらい保険料払っているかを聞いたこともありますが、本当に人それぞれで悩ましいところです。

最近はネット保険も増え、比較サイトも多くなっているので、相見積をとって自分にあったプランを検討するのがいいと思います。誕生日を入れるだけで、年齢のベース金額を算出してくれて、求める保障をどれくらい厚くするかで金額が瞬時にわかるので、とても便利だと思います。

40代女性だと、2,000円前後がベースで、特約をどこまでつけるか、入院給付金のベースをどこまであげるかを調整するという感じで、5,000円以内が現実的な保険料かな、っと個人的には思います。

保険市場|がん保険を比較

がん保険は必要?

では、結果としてがん保険は必要なんでしょうか?

40代でがんを罹患したサバイバーとしての意見ですが、適度な保険料での医療保険は必要だと思います。それをがんに特化して、がん保険にするか、医療保険にがん特約をつけるかは、個人の判断だと思います。

出典:「公益財団法人 がん研究振興財団 がんの統計2021」年齢階級別がん罹患率推移(1980年、2000年、2017年)

「公益財団法人 がん研究振興財団 がんの統計2021」年齢階級別がん罹患率推移(1980年、2000年、2017年)をみると、

  • 診断の精度が高くなっているから、時代が進むにつれて罹患率が高くなっている。
  • TOTALでみると男性の方が罹患率が高いが、50代までは女性の方が高い。*これは女性特有のがんが、比較的若い年齢で罹患することが多いためです。
  • 人生に2人に1人が、がん罹患するといわれるが、一生涯であり、年齢階級別ではかなり差がある。

ことがわかります。40代で罹患した私は、いわば少ない確率にあたった側ということです。

私が実際にかかった費用
  • 手術&入院8日間(高額療養費適用):418円
  • 抗がん剤治療(健康保険適用):入院 (初回3日):70,000円 + 通院(月1回×5回) 15,000×5=75,000円
  • その他検査・診察・薬(健康保険適用):1年間で約5万円くらい

実際のところは、高額医療費適用や、健康保険でかなり抑えられています。

私は、終身医療保険の掛け捨てタイプに、がんも保障される女性特約をつけてました。月額5,000円程度の保険料でした。

実際に支給された金額

今回がんになって、保険会社からの支給額は、入院給付金、診断給付金、手術給付金で70万円ほどでした。確かに、働けない期間もあり、不安な中でとても助かりました。終身保険だったので、今後の保険料も不要になりました。

でも一番よかったのは、今後保険に入れないことになってしまった中で、年齢を重ねて病気のリスクが高くなる時にも保障があるということです。

どのタイミングで、どんな病気になるかなんてわからない中で、生活費を切り詰めて高い保険に入る必要はないと思いますが、自分にとってのリスクを洗い出して、保険を見直すきっかけにしていただけると幸いです^^

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